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【おたよりコラム】たくさんの人と関わる中で

更新日:23 時間前

 私は小さい頃から人を信じ、頼ることがとても苦手だった。なにかお願いして嫌な顔をされたらどうしよう。自分の考えを伝えたら嫌われてしまうのでは?そんなことを考え、空気ばかり読んで、周りに合わせる子だった。そしてそれは、大人になった今でもそういうところが残っていて、お願いしたりすることがとても苦手だったりする。そんな私だけれども、この夏、人の優しさやあたたかさにたくさん触れ、信頼できる仲間に支えられ、新しい気づきを得ることができた。

 夏休みのイベント『こどもキャンプ』のときのこと。毎年大型バスで群馬や秩父などの山にいっていたキャンプでしたが、今年ははじめて船で島にいくというチャレンジをしてみた。島にいったことは結果的には大正解で、いつものキャンプでは得られないような経験を子どもたちにたくさん持ち帰ってもらうことができた。いろいろな表情をみせる海、最高の星空と流れ星、島の真ん中にある火山、島ならではの生き物や地形。本当にどれをとっても素敵な体験だったと自信を持っていうことができる。そんなとっても最高な島キャンプだったのだけれども、帰る予定だった最終日に、まさかの津波警報が発令されるというハプニングが起きた。津波警報がでたのは、海チームがまさに海についてこれから遊ぼう!というときだった。警報がでて、警察や消防も一気に動く様子にピリピリした瞬間だった。すぐに子どもたちの安全の確保、情報収集、子どもたちの心のケア、その後子どもたちが思いっきり楽しめるように予定を組み直すなど、バタバタ動くことになった。結局、津波警報は解除されず、船も欠航となり、延泊することになるなど、イレギュラーがたくさんあった。それでもキャンプから帰ってきた子どもたちから「楽しかった!またいきたい!」と言ってもらえることが多く、心から安堵した。そして、楽しかったという言葉以上に、嬉しかったのは「大きくなったら、リーダーやりたい!」という言葉が何人もの小学生から聞けたことだった。 今回のキャンプのリーダーは、本当に本当に素敵なリーダーたちだった。津波警報というイレギュラー、避難所に行くという状況。大人だけでいたとしても不安になってもおかしくない状況。そんな中で、子どもたち30人の命を預かっているというプレッシャー。最終判断は三尾がするものの、緊急事態で私は電話対応や情報収集、帰りの船の確保などに追われる時間も多く、私なしでリーダーたちで判断しなければならない場面がたくさんあった。リーダーは高校生や大学生がほとんど。そのリーダーたちが、不安を見せず、子どもの笑顔、楽しめることを一番に考え、自分たちですべきことを考え、保護者がみれるLINEに必要な情報を添えて送ったり、次どうしたらスムーズに動けるかを考え「明日の服がなくなるから、予備がある人は予備で、ない人は洗濯をする。ただ、だれのかわからなくなると大変だし、予備が本当にあるのかの確認も必要だから、ひとりひとり5点セットを持ってきてもらって確認しながら、写真もとる。高学年は見せなくても自分で言えればよしとしようと思っています。それでどうですか?」と、「なにかやることありますか?」「どうしますか?」ではなく、考え抜いて提案しにきてくれたのだ。通常の行程でも信頼して任せられる存在だったけれど、ここまで考え動いてくれることに、大きな敬意と感謝を持った。リーダーには小学生からみてきた子が何人もいて、その子達が深く深く相手を思いやりながら動く成長した姿に、嬉しさも感じていた。今回はどのリーダーひとりひとりの強みを発揮してひとつのチームになっていた。年齢は20以上離れている子ばかり。でもそんなこと関係なく私にとって心から信頼できる最高の仲間だった。 今回、気づいたことがある。頼ることは迷惑になるのでは、と苦手意識があったけれど、それはきっと、自分のやり方を押し付けるような頼り方をしようとしていたからなのではないか、と。それは本当の意味では信じていなかったのだなぁと。その人そのままを信じ任せると、頼り方が大きく変わった。当たり前のことなのかもしれないけれど、私の中で本当に大きな気づきだった。 たくさんの人に関わり活動することで、大きく成長できる。そう強く実感した。今後子どもたちに年齢や背景が異なる人と協力しあう中で、多くのことを学べる機会を作っていきたいと思います。

 リーダーはもちろん、参加者の子どもたち、預けてくださった保護者の方々、サポートしてくださった島の方々、心配してくださった方など、本当にたくさんの方々に支えられた夏でした。支えてくださったひとりひとりに目一杯の感謝をこめて。  三尾 新

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